「必ず借りれる教育ローン」と検索している方は、お子さまの進学費用に不安を感じているのではないでしょうか。
たしかに教育費は高額になりやすく、入学金や授業料、生活費まで考えると大きな負担となります。
しかし、誰でも無条件で借りられる教育ローンは存在せず、多くの場合、審査を通過しなければなりません。
本記事では、教育ローンの基本や審査のポイント、そして奨学金制度との違いや併用方法までをわかりやすく解説します。
将来の返済に困らないよう、賢い借り方を知ることがとても大切です。
安心して進学の準備ができるよう、正しい情報をもとに判断していきましょう。
記事のポイント
🔴教育ローンには審査があり、誰でも借りられるわけではないこと
🔴信頼できる金融機関を選ぶことの重要性
🔴奨学金や公的支援制度との違いや活用法
🔴自分に合った賢い借り方や申し込みのタイミング
必ず借りれる教育ローンとは?
結論:必ず借りれるローンはない
教育ローンを借りたいと思う人は多いですが、「誰でも必ず借りられる」ローンは存在しません。
子どもの進学にはお金がかかります。
たとえば、大学や専門学校の入学金や授業料、寮の費用など、予想外の出費が出てくることもあります。
でも、どの教育ローンにも審査が必要です。
なぜかというと、銀行や公的機関はお金を貸す前に、借りる人がちゃんと返せるかどうかを確認したいからです。
これによって、貸したお金が返ってこないリスクを減らし、借りる人が返せないほどたくさん借りてしまうのを防ぎます。
だから、「審査なしで絶対借りられる」という話は本当ではありません。
そのような考えは改めたほうがいいでしょう。
なぜ教育ローンに審査がある?
教育ローンの審査は、借りる人がお金を返せるかを確認するためのものです。
銀行や公的機関は、借りる人の収入やこれまでの借金の履歴(信用情報)をチェックします。
審査がないローンは、返せなくなるリスクを考えていないので、とても危険です。
きちんとした銀行や公的機関は、日本の法律に従って、丁寧に審査をしています。
だから、審査なしで貸してくれる業者は、違法な可能性がとても高いです。
こうした業者を使うと、ものすごく高い利息を請求されたり、怖い取り立てに遭うことがあります。
子どもの教育のためにお金を借りたいときは、信頼できる銀行や公的機関を選ぶことが大切です。
「審査なし」という甘い言葉には、必ず何か裏があるので気をつけましょう。
国の教育ローンも審査対象
日本政策金融公庫が提供する「国の教育ローン」(正式名称:教育一般貸付)にも、必ず審査があります。
このローンは、子育てを応援する目的があり、ひとり親家庭や子どもが3人以上いる家庭には特別なサポート(たとえば、金利を安くする)があります。
でも、誰でも自由に借りられるわけではありません。
申し込むには、家族の年収に上限が決められていて、子どもの人数や住んでいる場所(自宅から通うか、寮か)によってその上限が変わることがあります。
借りられる金額は通常350万円までですが、特定の条件を満たせば450万円まで借りられることもあります。
このローンは借りやすいと感じる人もいるかもしれませんが、審査がないわけではありません。
きちんと基準を満たす必要があります。
教育ローンの種類を理解しよう
教育ローンには大きく2つの種類があります。
1つは日本政策金融公庫の「国の教育ローン」、もう1つは銀行や信用金庫が提供する「民間教育ローン」です。
この2つは、金利(お金を借りるための手数料)や申し込みの条件、返済の方法が違います。
それぞれの特徴を理解して、自分に合う方を選ぶことが大切です。
国の教育ローンは、子育てを応援する目的で作られていて、条件がはっきりしています。
一方、民間の教育ローンは、銀行ごとにルールやサービスが違い、選択肢がたくさんあります。
自分の家族の収入や必要な金額を考えて、どのローンがいいかを見極めることが、最初の一歩です。
国の教育ローンの特徴
国の教育ローンは、正式には「教育一般貸付」と呼ばれ、日本政策金融公庫が運営しています。
このローンは、大学、専門学校、短大などさまざまな学校の費用に使えます。
たとえば、授業料、入学金、教科書代、寮やアパートの家賃など、教育に関係するお金なら幅広く対応できます。
特に、ひとり親家庭や子どもが3人以上いる家庭には、金利を安くするなどのサポートがあります。
申し込むには、家族の年収に上限が決められていて、子どもの人数や通学方法(自宅から通うか、寮か)によってその上限が少し変わることがあります。
通常は350万円まで借りられますが、特定の条件を満たせば450万円まで借りられる場合もあります。
でも、どんな場合でも審査は必要で、申し込んだだけで必ず借りられるわけではありません。
民間教育ローンの特徴
民間教育ローンは、三井住友銀行、みずほ銀行、信用金庫、JAバンクなど、さまざまな金融機関が提供しています。
国の教育ローンと比べると、年収の上限などの条件が緩いことが多く、銀行ごとにルールやサービスが大きく違います。
たとえば、給与が振り込まれる口座を持っていたり、住宅ローンをその銀行で借りていると、金利が安くなることがあります。
金利には、毎月変わる「変動型」と、ずっと同じ「固定型」を選べる場合が多く、借りられる金額の上限も高めに設定されていることがあります。
通常、担保(家や土地など)や保証人(借金を肩代わりする人)は必要ありませんが、代わりに保証会社という別の会社が保証してくれることが多いです。
民間の教育ローンは選択肢が多いので、いくつかの銀行のサービスを比較して、自分にぴったりのものを選ぶことが大切です。
必ず借りれる?審査の壁
審査で見られる主なポイント
教育ローンを申し込むとき、銀行や公的機関は必ず審査を行います。
この審査は、借りる人が貸したお金をきちんと返せるかどうかを確認するためのものです。
審査ではいくつかのポイントをチェックします。
たとえば、毎月の収入、どれくらい長く今の職場で働いているか、過去に借りたお金の返済状況、今他のローンで借りている金額、そして借りたい金額が収入に見合っているかどうか、などです。
銀行や公的機関ごとに審査のルールは少し違いますが、だいたい同じようなポイントを見ています。
審査に通りやすくするには、自分の収入や借金の状況を事前にしっかり確認しておくことが大切です。
また、短い期間にたくさんのローンに申し込むと、「この人はお金に困っているのかも」と銀行に思われて審査に通りにくくなることがあるので、申し込みは慎重にしましょう。
安定した収入があるか
教育ローンの審査でとても大切なのは、毎月安定した収入があるかどうかです。
これは、毎月決まった額を返済できるかを確認するために必要な情報です。
たとえば、年収が同じでも、毎月決まった給料をもらう会社員のほうが、収入が月によって変わる自営業やフリーランスの人より、審査で有利になることが多いです。
また、どれくらい長く今の職場で働いているか(勤続年数)も見られます。
たとえば、5年以上同じ会社で働いている人は、「これからも安定した収入がありそう」と銀行に思われやすいです。
教育ローンを申し込む前に、自分の収入や仕事の状況を振り返ってみると、審査の準備がしやすくなります。
たとえば、年収300万円以上で2年以上同じ職場で働いている場合、審査で良い評価を得やすいことがあります。
信用情報に問題はないか
教育ローンの審査では、過去のお金の借り方や返し方を記録した「信用情報」を必ずチェックします。
この情報は、CICやJICCといった信用情報機関という専門の組織に保存されています。
たとえば、過去にクレジットカードやローンの返済が遅れたり、借金を整理(債務整理)したりした記録があると、審査に通りにくくなることがあります。
こうした「問題の記録」は、通常5年から10年間保存されます。
その期間中は教育ローンの審査に通るのが難しくなる可能性があります。
もし、過去の借金の返済で不安がある人は、信用情報機関に「自分の情報を教えてほしい」とお願い(開示請求)して、確認してみるのがおすすめです。
これで自分の状況を事前に知っておけば、審査の準備がしやすくなります。
他社借入状況の影響
審査では、今他のローンで借りているお金(他社借入)もチェックされます。
他社借入には、自動車ローン、クレジットカードのキャッシング、カードローンなどが含まれます。
もし、こうした借金がたくさんあると、銀行は「この人はすでに返済で大変かもしれない」と考えて、教育ローンの貸し出しに慎重になることがあります。
だから、ローンの申し込み前には、使っていないカードローンを解約したり、借金の金額を減らしたりすると良いです。
たとえば、クレジットカードのキャッシングを20万円返済して借金を減らすと、審査で「返せる人」と見られやすくなります。
借金の件数や金額を整理することで、審査に通りやすくなる可能性が上がります。
借入希望額と収入バランス
教育ローンで借りたい金額と、収入のバランスも審査で大切なポイントです。
銀行は、年収に対して毎年の返済額がどれくらいかを計算します。
これを「返済負担率」と呼びます。
たとえば、年収500万円の人が年間100万円の返済が必要なローンを借りようとすると、返済が大変だと判断されて審査に通りにくくなることがあります。
だから、借りたい金額は無理のない範囲にすることが大切です。
たとえば、年収400万円の人は、年間の返済額が80万円以下(月々約6.7万円)になるように借りると、審査で良い評価を得やすいです。
現実的な金額で計画を立てれば、銀行からも信頼され、審査に通りやすくなります。
短期での複数申込は不利
短い期間にたくさんの教育ローンや他のローンに申し込むと、審査で不利になることがあります。
これを「申込みブラック」と呼びます。
信用情報機関には、ローンの申し込み履歴が6ヶ月間記録され、銀行に共有されます。
たとえば、3ヶ月以内に5つのローンに申し込んだ記録があると、「この人はお金に困っているのかも」と銀行に思われることがあります。
だから、ローンの申し込みは本当に必要なものだけに絞りましょう。
たとえば、教育ローンを申し込むなら、1つか2つの銀行や公的機関を選んで、慎重に申し込むのがおすすめです。
申し込みを少なくすることで、審査に通りやすくなります。
審査にかかる期間
教育ローンの審査にかかる時間は、申し込む銀行やローンの種類によって違います。
たとえば、国の教育ローン(日本政策金融公庫)の場合、申し込みから審査結果が出るまで約10日かかり、お金が振り込まれるまでさらに10日ほど、合計で約20日かかることが多いです。
一方、民間の教育ローン(たとえば、三井住友銀行やみずほ銀行)は、2段階の審査があります。
まず「仮審査」は、申し込んだ当日や翌日に結果が出ることがあります。
その後、「本審査」には1~2週間ほどかかります。
ただし、書類にミスがあったり、大学の合格発表の時期(2~3月)に申し込みが集中したりすると、もっと時間がかかることもあります。
だから、早めに、たとえば合格発表の1ヶ月前に申し込みを始めるなど、余裕を持った計画が大切です。
審査落ちても資金調達
別の教育ローンを検討する
もし、最初に申し込んだ教育ローンに通らなかったとしても、がっかりする必要はありません。
別の教育ローンを試してみる価値は十分にあります。
なぜなら、銀行や公的機関ごとに、お金を貸すためのルール(審査基準)が違うからです。
たとえば、ある銀行で審査に落ちても、別の銀行や公的機関のローンなら通る可能性があります。
特に、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」と、銀行が提供する「民間教育ローン」は、ルールや条件が大きく異なります。
国の教育ローンでは、家族の年収に上限(たとえば、子ども1人の場合、年収790万円以下など)が決められていることが多いです。
一方、民間の教育ローン(たとえば、三井住友銀行やみずほ銀行)では、年収の制限がゆるいか、まったくない場合もあります。
また、民間のローンでは、給料が振り込まれる口座を持っていたり、住宅ローンをその銀行で借りていたりすると、金利(お金を借りる手数料)が安くなることがあります。
たとえば、通常2%の金利が1.5%に下がるようなケースです。
でも、気をつけてほしいのは、短い期間にたくさんのローンに申し込むと、「この人はお金に困っているのかも」と銀行に思われて、審査に通りにくくなることがある点です。
だから、1つか2つのローンを選んで、慎重に申し込みましょう。
奨学金制度の活用
教育ローン以外にも、子どもの進学を応援する「奨学金」という選択肢があります。
奨学金は、学生本人が申し込んで、卒業後に自分で返済する仕組みです。
代表的なのは、日本学生支援機構(JASSO)が運営する奨学金で、2つの種類があります。
1つは「給付型」で、返さなくていいお金です。
もう1つは「貸与型」で、借りたお金を後で返すタイプです。
貸与型には、利息(お金を借りる手数料)がかからない「第一種」と、利息がかかる「第二種」があります。
奨学金を申し込むには、家族の収入や学生の学力(たとえば、高校の成績が5段階で3.5以上など)に条件があります。
たとえば、4人家族で年収380万円以下の家庭なら、給付型奨学金を受けられる可能性があります。
教育ローンと違って、親の仕事の種類(会社員か自営業かなど)は審査に関係ないので、収入がない学生でも申し込みやすいです。
奨学金は返済の負担を減らせるので、まず検討してみると良いでしょう。
詳しい条件は、JASSOのウェブサイトや学校の奨学金窓口で確認できます。
社会福祉協議会の支援金
お金の準備が難しい家庭には、各都道府県の「社会福祉協議会」が提供する支援制度が役立ちます。
この中にある「教育支援資金」は、授業料や教科書代、入学金などの教育費を無利子(利息ゼロ)で借りられる制度です。
対象は、収入が少ない家庭(たとえば、住民税がかからないくらいの年収、4人家族で約250万円以下)です。
返済期間は長めに設定されているので、毎月の返済額が少なく、負担が軽いです。
たとえば、50万円借りても、月々1万円以下で返せる場合があります。
また、20歳未満の子どもを育てるひとり親家庭向けには、「母子父子寡婦福祉資金貸付金」という制度もあります。
これも無利子で、授業料や入学金(就学支度費)に使えます。
たとえば、大学入学のための30万円を借りて、卒業後にゆっくり返済できます。
社会福祉協議会は市区町村の役所やウェブサイトで連絡先が分かるので、気軽に相談してみましょう。
こうした公的な支援を使えば、安心して進学の準備ができます。
大学無償化制度も確認
教育費を減らすもう1つの方法が、「高等教育の修学支援新制度」、通称「大学無償化制度」です。
この制度は、収入が少ない家庭(住民税がかからない家庭や、4人家族で年収380万円以下の家庭など)の学生を対象に、大学の授業料を免除(無料に)したり、返さなくていい奨学金(給付型)を支給したりするものです。
たとえば、私立大学の授業料(年間約90万円)が半額になったり、月々3~7万円の生活費支援を受けられたりします。
この制度を使うには、家族の収入や学生の学力(高校の成績など)に条件があります。
詳しい条件は、大学や市区町村の窓口、または文部科学省のウェブサイトで確認できます。
早めに自分が対象かどうかを調べれば、どのくらいお金が必要かを計画しやすくなります。
教育ローンや他の借金を借りる前に、まずこの制度をチェックすると、負担を大きく減らせるかもしれません。
奨学金と教育ローンの併用
教育費を準備するとき、奨学金と教育ローンを一緒に使うのも良い方法です。
それぞれの制度には特徴があり、1つだけでは必要な金額が足りない場合もあります。
たとえば、給付型奨学金(返さなくていいお金)で毎月の授業料をまかない、入学金や寮の費用(たとえば50万円)を教育ローンで借りる、といった使い分けができます。
こうすれば、借りる金額を減らし、将来の返済の負担を軽くできます。
たとえば、JASSOの給付型奨学金で月5万円(年間60万円)を受けつつ、国の教育ローンで入学金の100万円を借りる、という組み合わせです。
でも、併用するときは、返済の計画をしっかり立てることが大切です。
たとえば、奨学金とローンの返済が月々5万円を超えないように計画すると、卒業後の生活が楽になります。
借りすぎたり、返済計画があいまいだったりすると、将来お金に困る可能性があるので、必要な金額と返せる金額を家族で話し合って決めましょう。
総括:「必ず借りれる教育ローン」は存在するのか?その真実と賢い選び方
✅教育ローンには必ず審査がある
✅「審査なしで必ず借りれる教育ローン」は存在しない
✅収入や信用情報が審査の対象となる
✅安定した職業と勤続年数が評価されやすい
✅他社からの借入状況も審査に影響する
✅借入希望額と年収のバランスが重要
✅同時期に複数のローン申込は審査に不利
✅国の教育ローンは条件が明確でサポートもある
✅民間教育ローンは銀行ごとにサービスが異なる
✅保証人不要で利用できる民間ローンも多い
✅落ちても他のローンに通る可能性がある
✅奨学金制度も進学資金の有力な選択肢
✅社会福祉協議会による無利子支援も利用可能
✅大学無償化制度で学費負担を減らせる場合がある
✅教育ローンと奨学金の併用で計画的な資金準備ができる
教育ローンは、「必ず借りれる」という言葉に惑わされず、しっかりと審査や条件を理解したうえで選ぶことが大切です。
進学には多くの費用がかかりますが、無理のない計画を立てれば、不安を減らし安心して準備を進められます。
奨学金や各種支援制度も上手に活用しながら、自分に合った方法で資金を整えていきましょう。
教育は将来への大切な投資です。
焦らず、落ち着いて、賢い選択を心がけてください。