「総量規制オーバーでも借りれた」という話を知恵袋で見かけたけれど、本当なのだろうか。
5ch(2ch)の口コミでは特定の街金なら可能という書き込みもあるし、一体何を信じれば良いのか分からない。
総量規制オーバーで、これ以上は無理だと諦めかけている方もいらっしゃるかもしれません。
このように、切実な状況で情報を探していると、甘い言葉に少しの望みを託したくなるものです。
しかし、誤った情報に飛びついてしまうと、状況をさらに悪化させる危険性があります。
この記事では、総量規制に関する正しい知識と、知恵袋やネット上の口コミの真相を、専門的な視点から分かりやすく解き明かしていきます。
安全な解決策を見つけるための確かな情報を提供します。
記事のポイント
- 総量規制の基本的な仕組みと対象範囲
- 「総量規制オーバーでも借りれた」という話のカラクリ
- 安全に借入を検討できる可能性のある方法
- 絶対に手を出してはいけない危険な業者の見分け方
裁量規制オーバーでも借りれた話の仕組みとは

- そもそも総量規制とは?
- 総量規制の対象外となるローン
- おまとめローンは総量規制の例外
- 銀行カードローンは対象外
- クレジットカードのショッピング枠
総量規制とは?

「総量規制(そうりょうきせい)」は、わたしたちが返済で困ってしまうほどお金を借りすぎてしまわないように、国が作ったとても大切なルールのことです。
以前、たくさんの金融機関から借金をしてしまい、生活が大変になってしまう方が増えて大きな社会問題となりました。
そこで、皆さんを借金のしすぎから守る目的で、このお約束事が法律で定められたのです。
具体的には、消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどでお金を借りる場合、ご自身の年収の3分の1までしか借りられない、という決まりになっています。
例えば、もしあなたの年収が300万円だとしたら、いろいろな会社から借りるお金をすべて合わせても、100万円が上限となります。
金融機関がこの上限を超えてお金を貸すことは、法律でしっかりと禁止されています。
総量規制の対象外となるローン

「総量規制」というルールは、主に消費者金融などからお金を借りるときのお約束事です。
しかし、世の中にあるすべての借入が、このルールの対象になるわけではないんですよ。
実は、このルールには特別なケースが2種類あります。
一つ目は、お家のローンや車のローンのように、もともと目的が大きく違うために、このルールの「対象外」とされているものです。
これを「除外貸付(じょがいかしつけ)」と呼びます。
そしてもう一つは、借りる方の助けになるような場合に、特別に「例外」として認められているケースです。
こちらは「例外貸付(れいがいかしつけ)」と言います。
実は、この「対象外」と「例外」という2つの特別なケースがあることこそが、「年収の3分の1を超えても借りられた」という話が生まれる理由なんです。
| 区分 | 特徴 | 具体的なローンの例 |
|---|---|---|
| 除外貸付 | 借入額が高額であるなど、総量規制の趣旨になじまない貸付。 ローンの利用後に他の貸金業者から年収の3分の1まで借入が可能。 |
・住宅ローン ・自動車ローン ・高額療養費の貸付 ・不動産担保貸付 |
| 例外貸付 | 利用者の利益になるなど、特定の条件下で年収の3分の1を超える借入が例外的に認められる貸付。 ただし、年収の3分の1を超過すると、他の貸金業者からの新規借入はできなくなります。 |
・おまとめローン ・配偶者貸付 ・緊急の医療費の貸付 ・個人事業主への貸付 |
このように、借入の目的や形態によって、総量規制の適用範囲は異なります。
おまとめローンは総量規制の例外
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あなたがいくつかの会社からお金を借りている場合、「おまとめローン」という方法で、それらを一つにまとめることができます。
これは、返済に困っている方を助けるための特別な仕組みなので、「総量規制」の例外として、年収の3分の1を超えていても利用できる場合があるのです。
目的は、今よりも金利を低くして、毎月の返済や最終的に支払う利息の負担を軽くすることにあります。
おまとめローンのメリットとデメリット
まず良い点としては、あちこちにあった返済先が一つになるので、管理がとても楽になります。
毎月の返済日も一度ですむようになりますし、金利が下がれば、支払う利息の合計額を減らせる可能性もあります。
一方で、知っておきたい注意点もあります。
このローンは、あくまで借金を返すためのものなので、新しくお金を追加で借りることはできません。
また、月々の返済額を少なくするために返済期間をあまりにも長くしてしまうと、かえって支払う利息の総額が増えてしまうこともあります。
契約する際には、内容をしっかり確認することがとても大切ですよ。
銀行カードローンは例外

銀行からお金を借りる場合は、実は「総量規制」の対象にはなりません。
なぜかというと、銀行は消費者金融とは違って、「銀行法」という別の法律のもとでお仕事をしているからなんですね。
ですから、もし消費者金融などからすでに年収の3分の1いっぱいまで借りていたとしても、理屈の上では、銀行のカードローンならさらにお金を借りられる可能性がある、ということになります。
ただし、ここで一つとても大切な注意点があります。
最近では、銀行もお客さんがお金を借りすぎて返済に困ることがないように、銀行独自のルールを設けているところがほとんどなのです。
他の会社からの借入額もすべて合わせた上で、貸し付けの上限を決めています。
ですので、「銀行だからいくらでも大丈夫!」と考えるのは少し違います。
お金を貸しても問題ないかを確認する審査は、消費者金融と同じくらい、あるいはもっと慎重に行われると考えておいた方が安心ですよ。
クレジットカードのショッピング枠

クレジットカードでお買い物をすることは、年収の3分の1というルールの対象にはなりません。
月々の支払いを分割払いやリボ払いにしている場合でも、このルールの計算には含まれないんですよ。
なぜかというと、カードでのお買い物は「借金」というよりは、カード会社が一時的にお支払いを「立て替えている」という、少し種類の違う約束とされているからなんです。
ただし、一つだけ気をつけてほしいことがあります。
それは、クレジットカードを使って現金そのものを引き出す「キャッシング」という機能です。
このキャッシングで借りたお金は、消費者金融などと同じように、年収の3分の1というルールの中にきちんと含まれてしまいます。
ですので、カードを使って「お買い物」をすることと、「現金を借りること」は、法律上では全く別のことなのです。

裁量規制オーバーでも借りれたケースと借入先

- ネット上の口コミは信じられる?
- 5ch(2ch)で見られる借入成功例
- 街金なら審査が柔軟な場合も
- 中小消費者金融の特徴
- 銀行カードローンの審査基準
ネット上の口コミは信じられる?

知恵袋や様々な掲示板で「総量規制オーバーでも借りれた」という口コミを目にすることがありますが、これを鵜呑みにするのは非常に危険です。
多くの場合、これらの書き込みの背景には、これまで解説してきた「総量規制の対象外」となる借入のケースが隠されています。
つまり、書き込んだ本人が総量規制の仕組みを誤解しており、「規制を超えて借りられた」と勘違いしている可能性が高いのです。
もちろん、個人の収入状況や信用情報、借入先の金融機関との関係性など、様々な要因が絡み合うため、一概にすべての口コミが嘘であるとは断定できません。
しかし、他人の成功例が自分にも当てはまるとは限らないため、あくまで参考情報の一つとして捉え、冷静に判断することが求められます。
5ch(2ch)で見られる借入成功例

5ch(2ch)のような匿名掲示板では、より具体的な金融機関名とともに「総量規制オーバーでも借りれた」という報告が見受けられます。
特に、おまとめローンを専門に扱う中小消費者金融や、特定の地方銀行カードローンに関する情報が交わされていることがあります。
これらの情報は、同じような境遇にある人々にとって有益なヒントとなる可能性があります。
どのような金融機関が柔軟な対応をしてくれる傾向にあるのか、大まかな方向性を探る上では役立つかもしれません。
しかし、匿名掲示板の情報には、古かったり、不正確であったり、あるいは意図的に誤った情報が紛れ込んでいるリスクが常に伴います。
書き込みの信憑性は保証されておらず、安易に信用して申し込んだ結果、状況が悪化する可能性も否定できないのです。
街金なら審査が柔軟な場合も

「街金」と呼ばれる地域密着型の中小消費者金融は、全国展開する大手消費者金融とは異なる審査基準を設けていることがあります。
大手消費者金融の審査は、主に申込者の属性や信用情報を点数化して可否を判断する「スコアリングシステム」によって、機械的に行われるのが一般的です。
一方で、中小消費者金融(街金)では、担当者が直接申込者と対話し、現在の収入状況や返済への意欲、人柄といった数値化できない部分も加味して、総合的に融資を判断する場合があります。
「街金」と「闇金」は全くの別物
ここで明確にしておきたいのは、「街金」と「闇金」は全く異なる存在であるという点です。
街金は、国(財務局)や都道府県に正式に登録を行い、法律を遵守して営業している正規の貸金業者です。
これに対して闇金は、無登録で営業し、法外な金利での貸付や悪質な取り立てを行う犯罪組織です。
安全な借入先かどうかは、金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用して、登録番号が実在するかを必ず確認してください。
中小消費者金融の特徴

大手消費者金融とは異なる特徴を持つ中小消費者金融には、メリットとデメリットの両面があります。
利用を検討する際は、これらの点を十分に理解しておくことが不可欠です。
メリット
大手にはない独自の審査基準を持っているため、画一的な審査では融資が難しいと判断された方でも、借入できる可能性があります。
特に、過去の延滞履歴などよりも、現在の安定した収入や返済能力を重視する傾向が見られます。
また、複数の借入を一本化するおまとめローンに積極的に対応している業者も多いです。
デメリット
一般的に、大手消費者金融と比較して上限金利が高めに設定されている傾向があります。
また、自社ATMや提携ATMの数が少ないなど、借入や返済の利便性で劣る場合が多いです。
何より、情報が少なく、本当に信頼できる優良な業者なのかを利用者自身が見極める必要があります。
銀行カードローンの審査基準

前述の通り、銀行カードローンは総量規制の対象外ですが、審査が甘いわけでは決してありません。
むしろ、返済能力については非常に厳格に審査されます。
銀行が審査で特に重視するのは、以下の項目です。
- 収入の安定性: 毎月継続して安定した収入があるか。
- 勤続年数: 同じ勤務先に長く勤めているほど評価は高くなります。
- 信用情報: 過去のローンやクレジットの返済で延滞などがないか。
- 他社借入状況: 借入件数や総額が多すぎないか。
- 取引実績: 申し込み先の銀行で給与振込や公共料金の引き落とし、定期預金などを利用しているか。
特に、その銀行とのこれまでの取引実績は、審査において有利に働く重要な要素となり得ます。
裁量規制オーバーで借りれた際の注意点

- 審査なしを謳う業者は危険
- 闇金業者の見分け方
- 申し込み時の注意点
- 総量規制オーバーでも借りれた知恵袋の結論
審査なしを謳う業者は危険

「審査なし」「ブラックOK」「誰でも貸します」といった甘い言葉で融資を勧誘する業者は、100%違法な闇金業者です。
貸金業法では、貸付を行う際に申込者の返済能力を調査すること(つまり審査)が厳しく義務付けられています。
審査をしないということは、法律を完全に無視している証拠です。
近年では、SNSなどを利用して「個人間融資」と称して接触してくるケースも増えていますが、その実態は闇金であることがほとんどです。
一度でも関わってしまうと、法外な高金利を請求されたり、家族や職場を巻き込む悪質な取り立てに苦しんだりする深刻な事態に陥ります。
闇金業者の見分け方

危険な闇金業者から身を守るためには、正規の貸金業者との違いを正確に知っておくことが重要です。
以下の表を参考に、少しでも怪しいと感じたら絶対に関わらないようにしてください。
| チェック項目 | 正規の貸金業者 | 闇金の可能性が高い業者 |
|---|---|---|
| 貸金業登録番号 | 公式サイトなどに必ず記載があり、金融庁の検索サービスで確認できる | 記載がない、偽の番号を使っている、検索してもヒットしない |
| 金利 | 法律で定められた上限金利(年20.0%)の範囲内 | 上限金利を大幅に超える(例: トイチ=10日で1割、トサン=10日で3割など) |
| 広告・勧誘 | 「審査あり」が前提で、安易な借入を助長する表現はしない | 「審査なし」「誰でもOK」「ブラック歓迎」など、甘い言葉で誘う |
| 連絡先 | 固定電話の番号が明記されている | 携帯電話の番号しか記載がない、SNSのアカウントのみなど |
繰り返しになりますが、金融庁のウェブサイトにある「登録貸金業者情報検索サービス」で業者名や登録番号を検索すれば、正規の業者かどうかを誰でも簡単に確認できます。
申し込み時の注意点

切羽詰まった状況であっても、冷静さを失って安易な行動を取ることは避けるべきです。
特に、以下の2点は信用情報に悪影響を及ぼし、状況をさらに悪化させる原因となります。
申込ブラックに注意
「どこか一つくらいは通るだろう」と考え、短期間に複数の金融機関へ立て続けに申し込むのは逆効果です。
ローンへの申込履歴は、信用情報機関に6ヶ月間記録されます。
短期間に多数の申込履歴があると、「相当お金に困っている」「他社で断られ続けているのでは」と金融機関に警戒され、本来なら通るはずの審査にも通らなくなってしまう可能性があります。
これを「申込ブラック」と呼びます。
虚偽の申告は絶対にしない
審査に通りたい一心で、年収を多めに申告したり、他社の借入件数や金額を少なく偽ったりする行為は、絶対にやめてください。
貸金業者は信用情報機関を通じて申込者の正確な借入状況を把握できるため、嘘は必ず発覚します。
虚偽の申告が発覚すれば、審査に落ちるだけでなく、詐欺未遂と見なされる可能性さえあります。
たとえ運良く審査に通ったとしても、後から発覚した場合には契約を強制的に解除され、借入金の一括返済を求められることもあります。
総括:総量規制オーバーでも借りれた知恵袋まとめ

この記事で解説してきた内容をまとめると、Yahoo!知恵袋などで見られる「総量規制オーバーでも借りれた」という疑問への答えは、以下のポイントに集約されます。
- 総量規制は貸金業者に適用される年収3分の1ルール
- 正規の貸金業者が総量規制を超えて新規融資することはない
- 知恵袋などの口コミの多くは総量規制対象外のローンを利用したケース
- 銀行カードローンは総量規制の対象外
- ただし銀行も自主規制で審査は厳しい
- 複数の借金を一本化するおまとめローンは総量規制の例外
- 住宅ローンや自動車ローンは総量規制の除外
- クレジットカードのショッピング枠は対象外だがキャッシング枠は対象
- 中小消費者金融(街金)は大手と異なる柔軟な審査が期待できる場合がある
- 「審査なし」「誰でもOK」は100%闇金なので絶対に関わらない
- 闇金を見分けるには貸金業登録番号の確認が不可欠
- 短期間に複数社へ申し込む「申込ブラック」は避ける
- 年収や他社借入状況の虚偽申告は絶対にしない
- どの方法を選ぶにしても無理のない返済計画が最も大切
- 自力での解決が困難な場合は弁護士や司法書士への相談を検討する
この記事では、「総量規制オーバーでも借りれた」という知恵袋などに見られる疑問について、その仕組みと注意点を解説しました。
お金に関する悩み、特に返済が迫っている状況では、誰でも焦りや不安を感じるものです。
しかし、そのような時こそ、一度立ち止まって冷静に自身の状況を見つめ直すことが大切になります。
安易に「借りられる場所」を探す前に、まずは現在の借入総額や毎月の返済額を正確に把握することから始めてみてください。
その上で、もし複数の借入がある場合は、返済負担を軽減できる可能性のある「おまとめローン」などを検討することも一つの有効な手段です。
どのような状況であっても、「審査なし」といった甘い言葉で誘う業者には絶対に関わらないでください。
安全な解決策は必ず見つかります。
一人で抱え込まず、必要であれば、弁護士や司法書士といった専門家への相談も視野に入れることをお勧めします。