商品先物取引による被害

商品先物取引とは

大豆、小豆

商品先物取引とは、大豆、金、ゴムなどの一定の商品について、将来の一定の時期にこれらの商品の現物を受渡しすることを約して、その価格を現時点であらかじめ決めて行う取引のことです。

顧客は担保として委託証拠金を差し入れて建玉をします。現実に商品を受渡したくない場合には、予定した売買と反対の取引をすることにより差金決済をすることができ、手数料と税金を支払って精算することになります。

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商品先物取引の危険性

商品先物取引では、実際には顧客が取引をする際に差し入れた委託証拠金の額の十倍以上もの金額の取引が行われます。そのため、商品の値段が予測したものとは反対の方向に少し動いただけでも、差し入れた委託証拠金が簡単になくなってしまうことも少なくありません。

危険性

また、業者側は、手数料を稼ぎたいあまりに、顧客に対して短期間の間に多数の建玉をさせたり、両建等の無意味な取引をさせたりするなど、強引、執拗な勧誘をする例が後を絶ちません。特に、商品先物取引について十分な知識や経験のない一般消費者は、自分よりは業者の外務員の方が商品先物取引に詳しいだろうなどと思い込まされ、外務員の言いなりに取り引きさせられてしまう結果、多額の損失を被ってしまうことになるのです。

さらに、業者側は、顧客が取引を始めた後も、次から次へと新たな商品での取引を勧誘し、損失が発生した場合にはその損失を挽回するためなどと称して新たな資金を投入させたり、結果的に利益が出た場合にはその利益を元にさらに規模が大きく危険な取引に勧誘したりします。結局、顧客はいったん取引を始めてしまうと、手持ちの資金が底をつくまで取引を終えられないことにもなりかねないのです。

このように、一般消費者にとっては、当該商品について将来の売買価格を決めて、手数料や税金にも配慮しつつ約定の期日までに利益が出るように決済することは不可能に近いことです。

すなわち、一般消費者にとって商品先物取引は、利益を得ることが困難なだけでなく、支払った金銭(委託証拠金)が全部無くなってしまったり、場合によっては追加で金銭(追証拠金)を請求されたりする事態にも陥りかねない、非常に危険な取引なのです。

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商品先物取引の違法性

このような商品先物取引については、商品取引所法等において委託者保護のための規定が設けられています。実際には、これらの規定が常に守られているわけではないのが実情ですので、勧誘から取引終了までの全過程における業者側からのはたらきかけについて、様々な違法事由について検討する必要があります。

例えば、明らかに商品先物取引についての知識、経験や財産状況等が不十分な者に対しては、商品先物取引の勧誘自体が禁止されています(商品取引所法215条等)。

違法性

また、顧客に対して、商品先物取引の危険性等についてその顧客の理解度に応じて十分に説明していなかった場合には、説明義務違反にあたります(同法218条、217条等。)。外務員が顧客に対し、「今買えば絶対儲かります。」「今が底値です。私に任せて下さい。」などと断定的な判断を提供することも禁じられています(消費者契約法4条1項、商品取引所法214条1号等。)。

さらに、取引中にあっても、過当売買(受託等業務に関する規則3条3項)、無断売買(同法施行規則103条3号)、一任売買(法214条3号)、両建(同法214条8号、同法施行規則103条9号)、向玉(同法施行規則103条2号)、仕切回避、拒否(同法施行規則103条7号)等の取引は厳に禁止されています。

加えて、業者は、新規の委託者や商品先物取引についての知識や経験が乏しく実質的に新規委託者と同視すべき顧客に対しては、当該顧客が不測の損害を被らないように保護育成する義務を負っています(新規委託者保護育成義務)。新規委託者以外の委託者に対しても、業者は善管注意義務及びその付随義務を負っており(商法552条2項、民法644条)、その役員及び従業員も、顧客に対して誠実かつ公正に業務を遂行すべき義務を負っています(商品取引所法213条)。これらの義務違反が認められる場合にも、業者やその役員、従業員の不法行為責任及び債務不履行責任が基礎づけられることになります。

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被害に遭ったのではないかとお悩みの方は

商品先物取引においては、過去数十年以上の長きにわたって、以上のような違法行為が繰り返されているのが実情であり、業者側の違法性を認めた裁判例や、行政処分例等も多数存在しています。

商品先物取引によって損失を被ってしまった、商品先物取引業者から不当なはたらきかけを受けた、等とお悩みの方は、遠慮なく当研究会までご相談下さい。ご相談には「被害の相談」ページをご覧ください。

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