ロコ・ロンドン貴金属取引被害の現状

ロコ・ロンドン貴金属取引とは

ロコロンドン

「ロコ・ロンドン貴金属取引」とは、海外における貴金属の現物価格を差金決済指標としてする、「私設」「海外」「現物まがい」「証拠金」取引のことを指します。「ロコ」とは「・・・において」「・・・渡し」などといった意味であり、「ロコ・ロンドン金取引」とは「ロンドンにおいて金を受け渡しする取引」という意味だとされています。

顧客の中には「金の現物が手に入る」かのように理解しているケースが多いようです。しかし、実際には、金の現物が顧客の手に入る取引ではなく、顧客が業者に証拠金(保証金)を預け、業者がその証拠金をもとに、証拠金の何十倍もの取引を行う「証拠金取引」です。

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ロコ・ロンドン貴金属取引の違法性

違法な取引

このような「ロコ・ロンドン貴金属取引」については、①賭博罪②詐欺罪③商品取引所法違反(類似施設開設の禁止違反)という3点から、違法な取引であると考えられます(2007年3月16日付「ロコ・ロンドン金取引」商法の被害に関する日弁連意見書)。

賭博罪について

「ロコ・ロンドン貴金属取引」は、業者と顧客の相対による差金決済取引であり、金相場及び為替相場の変動という偶然の事情によって財物の得喪を争う行為であって、取引を許容する法令が存せず、また正当業務行為と認めるべき事情もないことから、違法性の阻却もなく、刑法上の賭博罪(刑法第185条)に該当しうるものです。

この点、東京高裁平成20年3月27日判決は、「ロコ・ロンドン貴金属取引」の賭博行為該当性を端的に認め、業者や業者の役員の顧客に対する損害賠償責任を認めました。なお、「ロコ・ロンドン貴金属取引」商法と同一の構造を持つ「外国為替証拠金取引」商法についても、同取引が私的な差金決済取引であり賭博行為に該当しその違法性を阻却する事由が存しない旨の裁判例、あるいは、取引の仕組みを違法とする旨の裁判例が重ねられています(東京高判平成18年9月21日、岡山地判平成18年11月9日等)。

また、「ロコ・ロンドン貴金属取引」業者は、このような賭博罪に該当しうる「ロコ・ロンドン貴金属取引」商法を営業活動として行っている以上、このような業者の行為は常習賭博罪(刑法第186条1項)賭博場開帳等図利罪(同法第186条第2項)にも該当しうるものです。

詐欺罪について

業者が「ロコ・ロンドン貴金属取引」において、顧客には利益を上げさせない意図であるのにこれを秘して必ず儲かるなどといった場合や、あたかも市場取引であるかのごとく装って相対取引である「ロコ・ロンドン金取引」を勧誘した場合、業者が受領した証拠金(保証金)を経費等に使用してしまうような状況にあり証拠金(保証金)の償還可能性がないにもかかわらず顧客を取引に誘引した場合、あるいは、そもそも顧客との間で「ロコ・ロンドン金価格」を指標とする差金決済取引を行う意思は有せず単に金員騙取の手段として「ロコ・ロンドン貴金属取引」を用い証拠金(保証金)を取得したなどの場合には、業者には詐欺罪(刑法第246条)が成立します。

そもそも、「ロコ・ロンドン貴金属取引」商法は、私的な差金決済取引であり、業者の利益の源泉は、取引手数料と顧客の取引上の損失による業者の利益であって、他方、業者は顧客が利益を上げることにより損失を被るという構造にあります。すなわち、業者と顧客の利害が対立関係にあることから、業者の詐欺行為を招来しやすいのです。

また、業者側は「ロコ・ロンドン貴金属取引」の仕組み等について熟知していますが、他方、顧客側の情報は限られていますし、情報収集能力や判断力の点でも業者と比較すると格段に劣るのが実情ですから、業者側による、取引関係や取引内容の操作は容易なため、この点でも欺罔行為が行われやすいと言えます。

商品取引所法違反(類似施設開設の禁止違反)について

「ロコ・ロンドン貴金属取引」商法は「ロンドン渡しの金等の現物価格」を差金決済指標としており、あたかも海外の商品デリバティブであるかのごとく装っていますが、その実態は国内で行われている相対取引であり、国内の商品デリバティブに他ならず、商品取引所法が適用されます。

この点、商品取引所法第6条は、「商品市場類似施設の開設の禁止」と題し、「何人も、商品または商品指数(これに類似する指数を含む。)について先物取引に類似する取引をするための施設(・・・(中略)・・・)を開設してはならない。」(同条第1項)、「何人も、前項の施設において先物取引に類似する取引をしてはならない。」(同条第2項)と規定しています(罰則につき商品取引所法第357条第1号)。

「ロコ・ロンドン貴金属取引」は「先物取引に類似する取引」と解され、「ロコ・ロンドン貴金属取引」商法を組織的かつ継続的に行う業者の行為は、「先物取引に類似する取引をするための施設」を「開設」するものと解されますので、同法違反にあたると言えます。

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特定商取引法の規制対象

特定商取引に関する法律(特定商取引法)施行令が改正され、2007年7月15日よりロコ・ロンドン貴金属取引などの仲介サービスも特定商取引法の規制対象となりました。この結果、顧客は法定の記載事項を記載した契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリング・オフが可能となりました。契約書面を受け取っていた場合でも、その契約書面に法定の記載事項が記載されていなければ、8日を過ぎた後でもクーリング・オフが可能です。

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類似取引の問題

近時、「ロコ・ロンドン金」のほかにも、「ロコ・ニューヨーク原油」など「ロコ」という文言に市場名、商品名等を組み合わせた名称の取引も横行しているようです。これらの取引もロコ・ロンドン貴金属取引と同様に違法な取引である可能性が高いため、十分な注意が必要です。

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被害に遭ったのではないかとお悩みの方は

ロコ・ロンドン取引によって損失を被ってしまった、等とお悩みの方は、遠慮なく当研究会までご相談下さい。ご相談には「被害の相談」ページをご覧ください。

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